抜けるような青空の下、[藍染工房∞伊勢藍]には、胸がすくような金木犀の香りが爽やかに漂っています。
現在[藍染工房∞伊勢藍]では、月1回〈伊勢型紙彫り&染め教室〉を開催しています。
伊勢型紙彫りとは、友禅やゆかた、小紋などの柄や文様を着物の生地を染めるのに用いられるもので、その興りは、はるか昔平安時代とも室町時代とも言われる、三重が誇る伝統工芸のひとつです。
[藍染工房∞伊勢藍]での〈伊勢型紙彫り&染め教室〉では、重要無形文化財保持団体である伊勢型紙保存会の会長であり、ご自身も伊勢型紙伝統工芸士である内田勲先生を講師にお招きして、その技の一端を参加者一人一人に直接レクチャーしていただける大変有意義かつ貴重な機会となっております。
現在、第1期を開催中の〈伊勢型紙彫り&染め教室〉は、全5回のプログラム。先日、第1期の2回目が開催されました。
内田先生の丁寧なご指導のもと、午前中は型紙を彫り抜き、午後は自分の手で彫り抜いた型紙を用いて江戸時代の灰汁発酵建て藍染で抜き染めを行います。
内田先生の柔らかなお人柄の雰囲気に包まれた教室では、皆さん無心で伊勢型紙と向き合い、あっという間に1日が過ぎていきます。
はるか古来、市井の人々の手によって興り、江戸時代に発展を遂げた伊勢型紙彫りと、江戸時代の灰汁発酵建て藍染。どちらも、現在では大変貴重なものとなってしまった日本が世界に誇る伝統工芸の技です。そして、三重県にはもうひとつ日本を代表する伝統工芸があります。それが伊勢木綿。江戸時代には全国で愛用されるほど普及・発展していた伊勢木綿も、現在では、臼井織布さんのみが製造するのみの貴重なものとなりました。
現在[藍染工房∞伊勢藍]では[いなべ藍ランド]を中心に、三重発の伝統工芸の技を未来に継承し、新しい価値を生み出し発信することを目的として、〈伊勢型紙〉と〈伊勢木綿〉そして〈伊勢藍〉とのトリプルコラボレーションプロジェクトを進行しています。
かつて、伊勢商人が江戸において行商を行なっていたように、私たちも〈伊勢型紙〉〈伊勢木綿〉〈伊勢藍〉のコラボレート製品を通じて、東京を皮切りに、全国、そして海を越えて海外の方々をも魅了する、伊勢の古くて新しい伝統工芸の魅力を伝えていきたいと思います。
臼井織布さんの〈伊勢木綿〉は、現在、[藍染工房∞伊勢藍]での江戸時代の灰汁発酵建て藍染の体験でも、染物としてご購入していただくことができます。国内最高級の純綿糸を使用し、一反一反、丁寧に折り上げられる臼井織布さんの〈伊勢木綿〉は、生地が柔らかく古布のような素朴が風合いがあり、化学薬品や糖(ブドウ糖や水飴など)を添加せず、天然素材のみで藍建する江戸時代の灰汁発酵建て藍染との相性も抜群です。
ぜひ、[藍染工房∞伊勢藍]の藍染体験教室に参加される際は、臼井織布さんの〈伊勢木綿〉を手に取ってその風合いを楽しんでください。
[藍染工房∞伊勢藍]では、皆さんを最高品質の染液でお迎えするべく、ひとつひとつ丁寧に藍建て作業を行っています。
濃く美しい染色と、強い活着力、そして藍が本来持つ様々な効能を引き出す江戸時代の正統な灰汁発酵建て藍染の藍建の染液は、蒅(すくも)、樫の木灰から採った灰汁、微量の無農薬の麸(ふすま)と消石灰、そして鈴鹿山脈の伏流水などの天然素材を原料に、微生物による好気発酵と嫌気発酵の力を頼りに行われます。
化学薬品などを使用せず、微生物の発酵を促すために、昼夜問わず4時間置きの攪拌による酸素の供給が欠かせない、非常に手間と時間がかかる作業。心を込めて丁寧な攪拌を行い、微生物の複雑かつ活発な発酵循環をするための最適な環境を整えることで、藍甕の中にはやがて、美しい藍の華が姿を現します。
美しい発色の藍の華が生まれるたびに、藍の苗の栽培、過酷な蒅造り、そして藍建など幾重にも重なる工程と、そこに尽力していただいたたくさんの方々の顔、そしてこれからお迎えする体験者の皆様の笑顔が思い浮かばれて、嬉しくも感謝の気持ちでいっぱいになります。現在、[藍染工房∞伊勢藍]では、3つの藍甕で藍建て作業を行っています。藍甕を中心に皆さんの笑顔が花咲く様子を今から楽しみにしています。
[藍染工房∞伊勢藍]は、名古屋市からも車で40分ほどの大安ICからほど近い場所に位置しています。江戸時代の灰汁発酵建て藍染の体験教室の概要や、ご予約の状況はこちらのFacebookからご覧いただけます。
現在募集中の10月・11月の枠は、おかげさまで満席の日が目立ちますが、タイミング次第ではご参加いただけますので、お気軽にお問い合わせフォームまたはFacebookのメッセージからご連絡ください。
また、先ほどご紹介しました〈伊勢型紙彫り&染め教室〉は、現在開催中の第1期はすでに満席となっておりますが、2023年2月からスタート予定の第2期の参加者を募集中です。こちらも大変人気の企画となっておりますので、気になる方はぜひお早めにお問い合わせください。
〈伊勢型紙〉〈伊勢木綿〉との商品化企画が進行中の、〈伊勢藍〉の製品はこちらのオンラインショップやCreemaでもご覧いただけます。江戸時代の灰汁発酵建て藍染で染師が1点ずつ丁寧に染め上げた品々は着る菌活としても注目されています。
気軽に毎日の生活に取り入れていただけるデイリーウェアから、江戸四十八色と言われる藍の美しい濃淡を楽しめるストールなど様々ご用意しておりますのでぜひお時間のあるときにご覧ください。
お車でお越しの方
東海環状大安ICまで・・・
名古屋から約40分
京都から約1時間20分
大阪から約2時間
東京から約5時間
電車でお越しの方
三岐鉄道三岐線大安駅まで・・・
名古屋駅から約1時間
大安駅から工房まで徒歩約12分