三重県いなべ市 伊勢藍 江戸時代の正統な灰汁発酵建て藍染 藍染工房 伊勢藍

2022年9月24日 / 伊勢藍, 藍染のちから, 藍染工房∞伊勢藍について

［藍染工房∞伊勢藍］では、現代では稀少な技術となってしまった江戸時代の正統な灰汁発酵建て藍染を体験していただくことができます。
いなべ市は、鈴鹿山脈をはじめ豊かな自然が様々な表情に触れることのできる地域でありながら、名古屋から車で40分ほどのところにあり、アクセスの利便性の高い地域。［藍染工房∞伊勢藍］にも、江戸時代の灰汁発酵建て藍染体験を求めて、名古屋をはじめ関西や関東からも多くのお客様にお越しいただいております。

一方で、もっと気軽に毎日の生活に藍染を取り入れたいという声も多く頂戴しており、そのようなお声に応えて［藍染工房∞伊勢藍］では、オンラインショップを開設し、江戸時代の灰汁発酵建て藍染で染め上げた品々を〈伊勢藍〉と称し、販売・展開しております。

お酢やヨーグルト、納豆、お味噌などの発酵食品をはじめ、日々の健康に微生物の力を取り入れることが普通のことになったいま、“着る菌活”として、藍染製品を求める方も多くいらっしゃいます。
というのも、江戸時代の灰汁発酵建てで染め上げる藍染は、微生物の力を利用して行われ、その品々は菌類の知られざる神秘的な力を宿しているからなのです。

［藍染工房∞伊勢藍］で行われる江戸時代の灰汁発酵建て藍染は、蒅（すくも）や樫の木灰からとった灰汁など天然素材のみで藍建てした染め液に、ゆっくりと静かに生地を浸けて、絞り、空気に触れさせて酸化させるという染めの工程を何度も繰り返し行います。
本物の藍染のメカニズムは非常に複雑で、還元作用によって生地の表面に活着した染液を酸化により発色させ、少しずつ染め重ねていくことにより、生地の表面に鮮やかな癒しの紺色と活きた微生物を纏わせていくのです。
その後仕上げとして、地下から汲み上げた鈴鹿山脈の伏流水で灰汁抜きと定着を行い、自然乾燥の工程を経てやっと完成となります。

染師によって１点ずつ行われるこの工程は、とても時間と手間のかかる作業。化学薬品や糖などを添加することで効率化することもできるのかもしれませんが、［藍染工房∞伊勢藍］ではそれを行いません。

なぜなら、手間や時間がかかり非効率的に思われるかもしれないこれら全ての工程が、藍の持つ微生物の力・効用を最大限に引き出すために必要不可欠な意味のある作業だからなのです。一つでも手間を省いてしまうと、全ての工程が意味をなくし、出来上がった製品にも期待される藍の効能は宿りません。

江戸時代の灰汁発酵建て藍染で染められた藍染製品には、抗菌防臭、消臭、消炎、鎮痛、UVカットほぼ100%、鎮静効果、アトピー性皮膚炎やその他肌トラブル、肌荒れなどに優れた効力を発揮します。

藍染の力や効能を十分に感じていただくために、［藍染工房∞伊勢藍］では、オンラインショップやCreemaでご購入いただける〈伊勢藍〉の製品にも、染師が１点ずつ、手間を省くことなく丁寧に染め上げた製品のみをご提供させていただいています。

藍染体験でご自身で染めたものや、オンラインショップでご購入いただいた藍染製品について、毎日の生活の中での取り扱いについてお問い合わせをいただくことがよくあります。特に、洗濯について気になる方も多いようで、どのように手入れをしたらいいか尋ねられる機会が多くあります。
まず、江戸時代の灰汁発酵建て藍染で、正しく染め上げられた製品の場合、優れた抗菌・防臭消臭効果を有するため基本的に洗濯は不要です。１点ずつ丁寧に表面活着で染められた製品は、生地の表面を完全に藍でコーティングしてシールドされているので、汚れが落ちやすく、汗や皮脂の汚れ程度であればさっと水を通す、擦らないすすぎ洗いで十分です。
江戸時代の人たちがこぞって藍の製品を身につけていた理由も、このような利便性の高さがあるからこそだったのです。 灰汁発酵建て藍染製品のお取り扱いについては、こちらのページに詳しくご案内しておりますので、ぜひご覧ください。お取り扱いの方法とともに、藍の持つ力や文化についてもご理解いただけると思います。

［藍染工房∞伊勢藍］では現在、10月と11月の藍染体験のご予約申込みを承っております。その他各コース、ポイント制度、ツアー制度等につきまして、こちらのFacebookページに詳しくご案内しておりますのでぜひ、ご覧ください。10月のご予約は埋まりつつありますが、11月はまだ余裕のある日もありますので、ご興味のある方、お日にちのご都合のよろしい方はぜひお気軽にお問い合わせください。