2022年11月5日 / お知らせ, 伊勢藍, 藍染のちから
11月になり、秋気いよいよ深い季節となりました。
[藍染工房∞伊勢藍]では、連日多くの方にお越しいただき、江戸時代の正統な灰汁発酵建て藍染の体験を楽しんでいただいています。
[藍染工房∞伊勢藍]で忠実に再現される灰汁発酵建て藍染は、江戸時代の中頃、庶民に木綿や消石灰の普及とともに発展した、最も進化した成熟期の技法と呼ばれています。
化学薬品はもちろんのこと、ブドウ糖や水飴などの糖も添加せず、蒅(すくも)や樫の木灰、微量の無農薬麩(ふすま)、消石灰、そして鈴鹿山脈から湧き出る伏流水など、天然の素材のみで藍建しています。
江戸時代に灰汁発酵建て藍染が普及した理由は、“藍色四十八色” とも表される藍の濃淡の美しさもさることながら、同時に兼ね備えた藍の有用性によるところが大きいと思われます。
灰汁発酵建て藍染で染め上げた生地は、防臭・抗菌・鎮痛・ほぼ100%のUVカット・沈静効果、防虫効果に優れていると言われ、江戸時代の人々の生活に役立てられてきました。
あらゆることが効率化され過剰生産・大量消費が当たり前となった現代において、製造に時間と手間のかかる灰汁発酵建て藍染は、一見すると時代と逆行する文化・技法のように感じられる方もいらっしゃるかもしれません。一方で、先述のように[藍染工房∞伊勢藍]には連日、多くの方がお越しくださり、灰汁発酵建て藍染の世界に触れ魅了されています。
それは、例えばSDGsという言葉に象徴されるように、このような時代だからこそ、日々の生活や環境を見直し、本当に自分にとって価値のあるものを探している方が増えているからのように感じます。
“現代なのに”ではなく、価値観が大きく変化し本物思考へとシフトしている“現代だからこそ” 江戸時代の灰汁発酵建て藍染が見直され、再発見されているのではないでしょうか。
機能的かつ用の美を備えた灰汁発酵建て藍染で染められた品々は、いにしえより人々の暮らしを豊かに彩ってきました。藍が本来持っている“力”には、未来の生きる人たちの生活をも豊かにする可能性が秘めていると考えている[藍染工房∞伊勢藍]では、その技法を忠実に再現するとともに、藍の文化やフィロソフィーを、持続可能な産業として未来に継承していくことを目指しています。
そこで[藍染工房∞伊勢藍]では、江戸時代の灰汁発酵建て藍染を未来に引き継ぐ使命を共に全うするため〈伊勢藍〉のフランチャイズ展開にふみきりました。
第一期目の募集は、早くも応募多数のため締め切らせていただきました。
次回、第二期をまた募集した際には、何卒宜しくお願い申し上げます。
先述の通り、さまざまな効能が確認されている江戸時代の灰汁発酵建て藍染の品々を生活に取り入れることは、ライフスタイルにも確かな変革をもたらす着る菌活としても注目されています。毎日の生活にも取り入れやすい〈伊勢藍〉のデイリーウェアや、息をのむ美しさが人々を魅了するストールなどはこちらのオンラインショップやCreemaサイトでお求めいただけます。
また〈伊勢藍〉は、パリでの展示会に向けて先月無事に旅立ちました。こちらにつきましても、進展がありましたら当ブログでご報告したいと思います。
レギュラー開催している江戸時代の灰汁発酵建て藍染の体験希望者も随時募集しています。名古屋から車で40分ほどの大安ICからほど近い[藍染工房∞伊勢藍]では、鈴鹿山脈をはじめとする豊かな自然の中で、貴重な江戸時代の灰汁発酵建て藍染体験を楽しんでいただけます。体験の要項や募集状況はこちらのFacebookページからご確認いただけます。
お車でお越しの方
東海環状大安ICまで・・・
名古屋から約40分
京都から約1時間20分
大阪から約2時間
東京から約5時間
電車でお越しの方
三岐鉄道三岐線大安駅まで・・・
名古屋駅から約1時間
大安駅から工房まで徒歩約12分